Thursday, December 07, 2017 10:56 AM

米、エルサレム首都宣言 「中東和平の新戦略」

 トランプ大統領は6日、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブにある米大使館の移転準備を始めるよう国務省に指示したとホワイトハウスで正式発表した。歴代米政権が中東混乱への懸念から避けてきた措置に踏み切り、政策転換した。米国が中東和平実現への取り組みを放棄するとの意味ではないと強調し「過去の失敗した戦略を繰り返さない」と主張、中東和平で「新たなアプローチ」を始めると表明した。

 東エルサレムを国家樹立の際の首都と位置付けるパレスチナは強い不満を表明、和平交渉の早期再開は絶望的になった。イスラム諸国も一斉に反発。英国やフランスなど米国の同盟国を含め、国際社会で抗議が広がった。国連安全保障理事会は8日に緊急会合を開く。

 ロシアは7日、首都認定が「国際社会の分裂を招く」と批判、「深刻な不安」を示した。欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表も「われわれをさらに暗い時代に導くかもしれない」と懸念した。(共同)