Tuesday, December 12, 2017 10:32 AM

平穏な生活「壊さないで」 紛争の震源、訴え切実

 トランプ大統領が6日にエルサレムをイスラエルの首都と正式認定してから13日で1週間。世界に衝撃が走り、イスラム教徒による抗議デモはパレスチナ自治区、中東諸国から瞬く間にアジアや欧州に拡大、多くの負傷者が出た。「全てはトランプ氏の責任だ」。過去にもパレスチナ紛争の震源となったエルサレム旧市街の住民は「平穏な生活を壊さないで」と切実な訴えを口にした。

 イスラム教徒に礼拝の時を告げるアザーンが街中に響き渡る。一角にはクリスマスの装飾を施したキリスト教徒の商店。その前を黒の帽子に黒のスーツ姿の超正統派ユダヤ教徒が通り過ぎるー。三つの一神教の聖地が集中するエルサレム旧市街では11日、多くのイスラエル治安当局者が周囲に目を光らせていた。

 「イスラム教礼拝所のアルアクサ・モスク、キリスト教の聖墳墓教会、ユダヤ教の嘆きの壁。三つの聖地はそれぞれの宗教を信じる人にとってかけがえのないものだ。トランプ氏が何を言おうと、それだけは変えられない」。イスラム教徒のパレスチナ人、ハニさん(37)が強調した。(共同)