Wednesday, December 13, 2017 10:30 AM

WTO、米の異論で難航 閣僚宣言の交渉大詰め

 アルゼンチンで開かれている世界貿易機関(WTO)閣僚会議は13日、会期最終日を迎えた。焦点の閣僚宣言を巡る協議は大詰めだが、交渉筋によると、米国が異論を唱えて難航しており、合意できるか見通せない情勢だ。会議のマルコラ議長は閣僚宣言が採択できない場合、議長声明を発表する方針。

 保護主義的な通商政策を打ち出すトランプ政権は、WTOを中心とした多国間の枠組みを軸とした自由貿易体制に揺さぶりをかけている。閣僚宣言を採択できなければ自由貿易体制は打撃を受けることになる。

 WTO報道官は12日夜、各国の間に「大きな意見の相違が残っている」と指摘。交渉筋によると、改革を優先させるべきだと主張する米国と、WTO体制の維持・強化を目指す欧州連合(EU)などとの溝が埋まっていないという。漁業補助金の禁止交渉も違法漁業の取り扱いなどで意見が割れている。(共同)