Wednesday, December 20, 2017 11:10 AM

直接投与の遺伝子治療薬 FDAが初承認

 米食品医薬品局(FDA)は19日、米バイオ医薬品会社「スパーク・セラピューティクス」が開発した、先天性の視力障害に対する遺伝子治療薬を承認した。患者の網膜に直接注射して使う。これまで遺伝子改変した患者の免疫細胞を体内に戻す治療方法はあったが、直接体に投与して遺伝子を操作する薬の承認は初めて。

 FDAは8月、米国で初めてとなる遺伝子治療薬を、がんの免疫細胞療法で承認したが、今回で三つ目と相次いでいる。FDAは「私たちは大きな転換点にいる。今後は遺伝子治療が主流になる」としている。

 治療対象は、特定の遺伝子の変異が原因で起きる網膜ジストロフィー。重度の視力障害が起き、失明することもある。承認された遺伝子治療薬「ラクスターナ」は、原因遺伝子の一つをターゲットとし、正常な遺伝子の断片を、運び役となるウイルスベクターに組み込んで網膜に注射する。遺伝子異常により作られなくなっていた、光を電気信号に変える酵素の生成能力を回復させる。(共同)