Wednesday, December 20, 2017 11:12 AM

白鵬、鶴竜の報酬減額 伊勢ケ浜親方、理事辞任

 日本相撲協会は20日、東京都墨田区の両国国技館で開いた臨時理事会で、元横綱日馬富士関の暴行事件を巡る関係者の処分を協議し、元日馬富士関の師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は監督責任を取って理事を辞任し、役員待遇委員に降格となった。巡業部長の貴乃花親方(元横綱)への処分は、協会危機管理委員会の聴取が終わっていないため先送りした。暴行現場の酒席に同席した横綱白鵬関と横綱鶴竜関はともに1月の給与を不支給とするなど報酬減額処分を科した。

 高野利雄・元名古屋高検検事長が委員長を務める危機管理委は報告書で、被害者の平幕貴ノ岩関の師匠でもある貴乃花親方は、秋巡業中の出来事ながら報告義務を怠ったと指摘。貴ノ岩関聴取への協力を何度も拒否したことも問題視した。相撲協会は28日の臨時理事会で処分を協議する。20日午前に開かれた協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)では北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)が貴乃花親方を「非難に値する」と評した。

 白鵬関と鶴竜関はともに暴行を止められなかったとして、横審は厳重注意を進言。元日馬富士関は、横審の提言を受け、理事会で引退勧告相当であることを確認した。今後同様の事態が起きた場合に備え、処分基準を明示することが必要と判断。既に引退しているため、処分はしない。11日に傷害容疑で書類送検されており、捜査関係者によると、鳥取地検は年内にも略式起訴する方向で処分を検討している。(共同)