Thursday, December 21, 2017 11:15 AM

米、財政の懸念拡大 政府機関閉鎖の恐れ

 米議会が20日、税制改革法案を可決したが、トランプ政権が重要公約の大型減税を実行することで財政への懸念が拡大しそうだ。22日には連邦政府の支出を手当てする現行の予算が期限切れになるものの、与野党の対立で23日以降の予算の審議は難航し、一部の政府機関が閉鎖に追い込まれる恐れが出てきた。

 減税規模は2018年からの10年間で1兆5000億ドル(約170兆円)程度。ムニューシン財務長官は「減税の財源は成長による税収増で賄う」と話すが、減税による国内総生産(GDP)の押し上げ効果は限定的で、財政赤字の増加は避けられないとの見方が多い。

 財政赤字は借金で穴埋めする必要があるが、政府の債務残高は既に約20兆ドルと巨額。議会予算局(CBO)は早ければ来年3月にも債務残高が法律で決まっている上限に達し、新たな借り入れができなくなって資金が枯渇すると予測する。それまでに上限を引き上げる法律が成立しなければ、米国債の償還ができないデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある。(共同)