Friday, January 05, 2018 10:35 AM

経済界、賃上げ3%意欲 首相要請に「勢い強化」

 経団連の榊原定征会長は5日、東京都内で開かれた経済3団体の新年祝賀会後の記者会見で、2018年春闘で最大の焦点となる3%の賃上げに関し「社会的な期待を意識しながら引き上げの勢いを一層強化したい」と意欲を示した。消費喚起によるデフレ脱却を目指し、今月中にまとめる経団連の春闘指針「経営労働政策特別委員会報告」に考え方を盛り込む。中小企業は働き手の確保のための賃上げを迫られそうだ。

 安倍晋三首相は昨年10月の経済財政諮問会議で3%の賃上げを訴え、この日の祝賀会に出席した経済3団体の企業トップらに「経済の好循環をしっかり回すため、3%をお願いしたい」と初めて直接要請した。

 新年祝賀会は経団連と日本商工会議所、経済同友会が共催した。榊原会長は賃上げを通じ「デフレからの完全脱却に貢献したい」と述べ、同友会の小林喜光代表幹事は「ボーナスを増やし、トータルで3〜4%という企業も出てくるのではないか」と話した。日商の三村明夫会頭は「中小企業の大半は人手不足が原因で賃金を上げている」と強調した。(共同)