Tuesday, January 16, 2018 10:07 AM

サムズクラブ、63店舗閉鎖へ〜通販向け配送センター転用も

 小売り大手ウォルマート・ストアズ傘下の会員制量販店サムズクラブ(Sam’s Club)は、今後数週間に国内660店舗の約10%に当たる63店を閉鎖すると発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、オンライン通販の拡大で実店舗を減らす小売店が増える中、サムズクラブは、閉鎖する店舗のうち最大12店舗を商品発送センターにしてeコマース事業を支える予定だ。

 閉鎖するのはアラスカ、テキサス、ニュージャージーといった州の赤字店舗。ジョン・ファーナーCEOは「徹底的な見直しの結果、既存店の売り上げに響くような場所に出店したり、出店しても地域の人口が予想通りに増えなかったりした例があったと分かった」と説明している。

 サムズクラブは1店平均約160人を雇用しており、今回の閉鎖で約1万人が職を失う見通し。一部の労働者には他店での雇用機会が提供される。

 ウォルマートは、店舗閉鎖と同時に国内の時給労働者の賃金を1時間11ドルに引き上げ、最高1000ドルの特別ボーナスを支給すると発表した。ボーナスは閉鎖するサムズクラブの全労働者にも支給される。

 サムズクラブは最近、通販部門の販売増と生鮮食品の強化で売り上げを伸ばし、長期にわたる業績不振からは脱却したが、まだ同業のコストコ・ホールセールには大きく水をあけられている。最近の四半期の既存店舗売上高は、サムズクラブの前年同期比2.8%増に対してコストコは7.9%増だった。