Tuesday, January 16, 2018 10:29 AM

芥川賞年長2番目若竹さん 老境文学、石井さんも受賞

 第158回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は若竹千佐子さん(63)の「おらおらでひとりいぐも」(文芸冬号)と石井遊佳さん(54)の「百年泥」(新潮11月号)に決まった。直木賞は門井慶喜さん(46)の「銀河鉄道の父」(講談社)。

 若竹さんは、2013年に当時75歳で受賞した黒田夏子さん(80)に次ぐ史上2番目の年長受賞。受賞作は老いがテーマで、高齢化社会における老境文学としても注目されそうだ。若竹さんは岩手県遠野市生まれ。門井さんの受賞作は詩人で童話作家・宮沢賢治と父の関係を描いており、岩手ゆかりの作家や作品がそれぞれの賞に輝いた。

 東京都内で記者会見した若竹さんは「人生の終盤にこんな晴れがましいことが起こるなんて信じられない」。門井さんは「風が来た。飛ぶだけだ。そういう気持ちです」と高揚する感情を表現した。インド・チェンナイ在住の石井さんは、電話で会見し「今まで助け、支えてくれた人のおかげ。感謝でいっぱいです」と喜びを語った。(共同)