Friday, January 19, 2018 11:14 AM

オウム事件全裁判終結 高橋被告の上告棄却

 1995年3月の地下鉄サリン事件で実行犯を車で送迎し、殺人罪などに問われた元オウム真理教信者高橋克也被告(59)の上告審で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は19日までに、被告の上告を棄却する決定をした。18日付。一、二審の無期懲役判決が確定する。異議申し立てはできるが結論が覆った例はなく、教団を巡る刑事裁判は95年3月の強制捜査から約23年を経て、事実上全て終結した。

 一連の事件では、教団幹部ら約190人が起訴された。松本智津夫死刑囚(62)=教祖名麻原彰晃=ら13人の死刑、5人の無期懲役判決が既に確定。刑事訴訟法の規定から共犯者の刑が確定するまでは死刑を執行しないことが慣例となっており、今後は執行の検討が本格化するとみられる。

 13人の死刑囚は、坂本堤弁護士一家殺害事件(89年)や松本サリン事件(94年)、地下鉄サリン事件(95年)などに関与。教団による一連の事件の犠牲者は29人に上る。このうち地下鉄事件では13人が死亡し、6千人以上が重軽症を負った。(共同)