Monday, January 22, 2018 11:21 AM

京大iPS研で論文不正 図捏造の助教処分へ

 京都大は22日、iPS細胞研究所の山水康平特定拠点助教(36)の論文に捏造と改ざんがあったと発表した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って脳の構造体を作ったとの論文で、主要な図6点全てに不正があった。山中伸弥所長は京大で記者会見し「非常に強い後悔、反省をしている。心よりおわび申し上げる」と謝罪した。再生医療分野で世界的に注目される同研究所での研究不正発覚は初めて。

 大学の調査に山水氏は「論文の見栄えを良くしたかった」と説明したという。今後、山水氏らを処分する。山中所長は所長を辞職するかに関し「その可能性も含め、どういう形が一番良いのか検討したい」と話した。

 論文は昨年2月、米科学誌ステム・セル・リポーツに掲載された。血中に含まれた薬物や有害物質が脳に入るのを防ぐ「血液脳関門」の機能を持つ構造体を、iPS細胞を使って体外で作ることに成功し、アルツハイマー病の治療にも役立つ可能性があるとしていた。(共同)