Friday, February 02, 2018 10:18 AM

コインチェックに立ち入り 金融庁、異例の早期対応

 金融庁は2日、不正アクセスにより顧客の約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が外部に流出した取引所大手コインチェック(東京)に、資金決済法に基づく立ち入り検査に入った。検査官を常駐させ、顧客への返金に向けた資金確保など被害補償への動きを常時監視する。今月13日までに業務改善命令に基づく報告を求めていたが、期限を待たずに異例の早期立ち入りに踏み切った。コインチェックを除く31の仮想通貨取引所全てに対し、安全管理体制などを2日中に報告するよう命じた。

 麻生太郎金融担当相は2日朝、閣議後の記者会見でコインチェックへの立ち入り検査に関し「利用者の(資産の)保全を確実にする観点で立ち入り調査した」と説明した。仮想通貨取引所への立ち入り検査は、昨年4月施行の改正資金決済法で取引所に登録制が導入されてから初めて。

 コインチェックやインターネット上の記録によると、ネムは1月26日未明から夜にかけて流出した。何者の犯行かは分かっていない。同社は自己資金を原資に日本円で合計約460億円を補償すると説明しているが、返金余力の根拠となる財務状況を開示しておらず、金融庁側にも明確に報告していない。取引も大半が1月26日から停止。再開時期のめどは立っておらず、利用者の資産は一部を除き、動かせないままとなっている。(共同)