Wednesday, February 07, 2018 11:02 AM

東電に11億円賠償命令 福島の原発事故集団訴訟

 東京電力福島第1原発事故で避難指示区域となった福島県南相馬市小高区(旧小高町)の住民ら321人がふるさとの暮らしを奪われて精神的苦痛を受けたとして、東電に慰謝料など総額約110億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は7日、318人に計約11億円の支払いを命じた。原告側は控訴を検討する。

 水野有子裁判長は、故郷に生きる利益の侵害を認め、東電が国の指針に基づいて支払っている慰謝料を上回る賠償を認めた。各地の集団訴訟で同様の判決が続いており、裁判を通じて被害救済を求める動きが広がる可能性がある。

 水野裁判長は「生活基盤の大幅な変容という過去に類を見ない規模の極めて甚大な被害が生じた」と指摘。原告らが主張する「ふるさと喪失」や長期の避難生活による損害を認め、1人当たり原則330万円の支払いを命じた。生活拠点が小高区になかったなどとして、3人の請求は棄却した。(共同)