Friday, February 09, 2018 11:54 AM

政府、黒田日銀総裁再任へ 現行の大規模緩和継続

 政府が、今年4月に5年の任期を終える黒田東彦日銀総裁(73)を再任する方針を固めたことが9日、分かった。総裁人事は国会の同意が必要で、総裁と副総裁2人の人事案は月内に国会に提示する。安倍晋三首相は、大規模な金融緩和策を導入し景気を下支えしてきた政策運営の手腕を高く評価。デフレ脱却を確実にするため、黒田氏を続投させて国内外にアベノミクスの推進をアピールする。当面、現行の緩和路線が継続される見通しとなった。

 黒田氏は2013年3月に就任した。物価上昇率2%の目標実現を掲げ、同年4月に市場にお金を大量に供給する大規模緩和を実施。その後も3回にわたって追加緩和を打ち出し、アベノミクスをけん引してきた。

 大規模緩和で過度な円高は是正され、企業業績や雇用情勢は大きく改善した。実質国内総生産(GDP)は7四半期プラス成長を持続し、12年末に始まった景気拡大は高度成長期の「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目の長さに達したとみられる。(共同)