Wednesday, February 21, 2018 11:16 AM

新たな不適切処理117件 厚労省地下室で原票発見

 裁量労働制を巡る不適切なデータ処理問題で、厚生労働省は21日、野党6党の会合で、1日の残業時間が1カ月分より長いなど新たな不適切データが、少なくとも117件見つかったと明らかにした。調査に使った事業所別の原票が、同省の地下室で見つかったことも公表。14日の国会答弁で加藤勝信厚労相が「なくなった」としていた。

 政府は働き方改革関連法案に盛り込む裁量労働制の適用拡大と、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設の施行期日を予定より1年遅らせ、2020年4月施行とする方向で検討。周知や準備が間に合わないためとしているが、データ問題も影響したとみられる。

 安倍晋三首相は21日、官邸で加藤氏と会談し、自民党内の調整に万全を期すよう指示。野党6党は幹事長・書記局長会談を開き、法案の提出見送りや裁量制で働いている人の労働時間調査の再実施を政府に求める方針で一致した。新たな不適切処理や、紛失したとしていた原票が見つかったことで、野党の攻勢はさらに強まりそうだ。(共同)