Friday, March 02, 2018 11:12 AM

北朝鮮情勢「危機発生も」 防衛研が中国報告書公表

 防衛省のシンクタンク、防衛研究所は2日、米国との関係から中国の軍事や安全保障の動向を分析した「中国安全保障レポート2018」を公表した。北朝鮮問題に関し、非核化を最も重要視する米国と、朝鮮半島の安定や平和的解決といった点も同等に重視する中国とでは対処方針に違いがあると指摘。北朝鮮の行動次第では「事態のコントロールが難しい危機が発生する可能性がある」と強調した。

 中国の軍事拠点化が進む南シナ海問題についても、米国が海洋の法秩序を重視する一方、中国にとっては近年戦略的な重要性が著しく上昇しており「安定的に問題を処理するメカニズムが存在しない」と分析。東アジア地域での諸問題を通じて「米中双方の不信感が増している」との見方を示した。

 トランプ政権誕生後の米中関係に関し、中国はトランプ氏が求める経済的利益を供与できるとの見方から、関係の安定と協調に自信を持っていると言及した。米国は中国が安全保障上の脅威とならないよう国際社会での責任ある振る舞いを求める対中政策を堅持してきたが、その政策を放棄。トランプ政権が昨年12月に公表した国家安全保障戦略で中国への厳しい警戒感を示したとした。(共同)