Monday, March 05, 2018 11:18 AM

脱デフレへ追加金融緩和も 日銀副総裁候補の若田部氏

 日銀の次期副総裁候補の若田部昌澄早大教授は5日、衆院議院運営委員会の所信聴取に臨んだ。デフレ脱却に向け、追加金融緩和をちゅうちょしない考えを強調し、大規模な金融緩和を終わらせる「出口戦略」の検討には慎重な姿勢を示した。地方銀行の収益悪化や財政規律の緩みといった緩和策の副作用に関しては「メリットの方がはるかに上回っている」と述べた。

 若田部氏は金融緩和で経済成長を目指す「リフレ派」。経済情勢は上向いたが物価上昇率2%の目標実現が遠く、時期尚早な政策変更で「デフレに逆戻りするリスクは避けなければならない」と訴えた。緩和策の一環として、これまで日銀が購入していない資産を購入することも可能だとも説明した。

 同じ副総裁候補の雨宮正佳日銀理事は「歴史的に類を見ない政策なので、効果や副作用の評価、出口戦略など検討課題は多岐にわたる」と分析した。2%目標実現への重しとなっている消費者や企業のデフレ心理を拭い去ることは「当初考えていたよりも難しい仕事だ」と語った。(共同)