Monday, March 12, 2018 12:37 PM

答弁に合わせ14件改ざん 財務省「昭恵夫人」削除

 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、麻生太郎副総理兼財務相は12日、決裁文書14件に書き換えがあったと明らかにした。大半は財務省近畿財務局の作成文書だが、理財局長だった佐川宣寿氏の国会答弁との矛盾を避けるため、同局の一部職員の指示で書き換えられたと説明した。事実上、改ざんを認めた形で、削除部分には安倍昭恵首相夫人の名前もあった。最終的な責任者は佐川氏だとし、政治家への忖度は否定。麻生氏は自身の進退は「考えていない」としたが、野党は組織的な隠蔽とみて厳しく追及する構えだ。麻生氏の進退論が浮上する可能性もあり、政権への大打撃となるのは必至だ。

 安倍晋三首相は同日、官邸で記者団に対し「行政全体の信頼を揺るがしかねない事態であり、責任を痛感している。国民に深くおわびする」と謝罪した。野党は「都合の悪いところを組織として改ざんした。内閣総辞職に値する」と批判した。

 麻生氏によると、改ざんは格安の払い下げ問題が発覚後の昨年2月以降で、「佐川氏の答弁と誤解がないように行われた」と説明した。佐川氏は国会で、国有地売却に「法令に基づき適切に管理、処分を行った」などと答弁していた。(共同)