Friday, March 16, 2018 11:31 AM

拉致、一転入国認める 神戸の田中実さん

 日本政府が拉致被害者に認定している神戸市の元ラーメン店員田中実さん=失踪当時(28)=について、北朝鮮が2014年、日本側との接触で「入国していた」と伝えていたことが16日、分かった。日本政府関係者が明らかにした。北朝鮮はそれまで田中さんについて「入国を確認できない」としていたが一転、主張を変えた。本人の帰国の意思は「ない」と説明したという。

 北朝鮮が拉致被害者の入国を認めるのは、02年9月の日朝首脳会談で横田めぐみさん=同(13)=ら13人の拉致を認めて以降初めて。日本政府は、北朝鮮による揺さぶりの可能性もあるとみて真偽を慎重に精査。北朝鮮による拉致問題の再調査は途中で中止され、本人と面会することはできなかった。

 ミサイル発射や核実験を繰り返していた北朝鮮は最近、強硬路線から転じ米国や韓国との首脳会談を決断。日朝首脳会談を模索する安倍晋三首相がどう向き合うかが問われる。(共同)