Monday, March 19, 2018 10:53 AM

トランプ陣営データ会社、FBの個人情報を違法収集か

 2016年の大統領選でトランプ陣営が契約していたデータ分析会社ケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica=CA、本社ロンドン)が、選挙戦略を構築する過程でフェイスブック利用者5000万人以上の個人情報を収集していたという疑惑が浮上した。ニューヨーク・タイムズと英オブザーバーが17日報じた。

 ロイター通信によると、報道を受けてマサチューセッツ州の司法長官は捜査を始めると発表。英国の情報保護委員会もCAへの捜査を行う方針を示し、情報コミッショナーのエリザベス・デンハム氏は「捜査で刑事および民事の法執行の必要が生じれば強力に行う」と述べた。

 フェイスブック(FB)は16日、プライバシー保護方針に反する行為があったとの理由でCAのアカウントを停止したと発表した。これでCAと親会社のストラテジック・コミュニケーション・ラボラトリーズ(SCL)はFBに広告を出したり、FB利用者のページに配信したりすることができなくなる。

 オブザーバーによると、CAは2014年初めにFB利用者のデータを許可なく入手し、投票行動を予想したり投票行動に影響を与えたりするソフトウェアを作成するのに使った。同紙はCAの設立に関わったクリストファー・ワイリー氏の話として、このソフトはFB利用者の人となりを分析して、個別に政治広告を配信できると説明した。

 5000万人余りという数は北米のFB利用者の約3分の1に当たり、米有権者の25%近くを占めるという。

 ニューヨーク・タイムズによると、CAはFB利用者の個人情報をその時利用しただけではなく、今も大部分またはすべてを所有しているという。