Tuesday, March 20, 2018 12:17 PM

安保理、公式会合開けず シリア人道状況、ロシアが反対

 国連安全保障理事会は19日、シリア内戦の人道状況を巡る公式会合を開けなかった。フランスやオランダ、米国などが開催を要請したが、アサド政権の後ろ盾のロシアなどが反対した。シリア内戦では欧米とロシアの対立で安保理が機能不全に陥っていることが、改めて浮き彫りになった。

 公式会合開催の是非を問う投票で、ロシアや中国、ボリビア、カザフスタンが反対し、アフリカの3カ国が棄権した。賛成は8カ国で、必要な9カ国に届かなかった。シリア問題に限らず、会合開催が投票で否決されるのは珍しい。

 議長国オランダは、政権軍が猛攻を続けるシリアの首都ダマスカス近郊の反体制派地域、東グータ地区などの人道状況への関心を保つためとして、ゼイド人権高等弁務官による最新状況の説明を計画したが、ロシアは「人権問題は安保理の議題ではない」と反論した。(共同)