Thursday, March 29, 2018 10:37 AM

米利上げ「年内残り3回」予想やや低下 ハイテク株軟調が影

 米連邦準備制度理事会(FRB)による今年の利上げ回数について、あと3回との見方がやや後退している。米国の経済成長を支えるハイテク株が軟調なためだ。英政治コンサルティング会社による5000万人もの個人情報の不正利用疑惑に揺れる米交流サイト大手フェイスブックなどの今後の業績によっては、米国の成長軌道の修正を余儀なくされる可能性がある。

 FRBは3月20〜21日の会合で利上げを決め、年内にあと2回利上げする見通しを示した。市場では、底堅い米経済や物価上昇圧力の高まりが示されればFRBが利上げ回数を上げるとの見方が広がっている。ただ、フェデラルファンド(FF)金利先物は東部時間28日午後時点で、FRBが今年あと3回利上げを行う確率が約26・8%であることを示す水準にあり、1週間前の30%から低下した。

 28日の米国株式市場はハイテク株の軟調が引き続き相場の重しとなった。フェイスブックは、利用者が個人情報の管理を強化できるよう設定を変更すると発表したことで株価が持ち直したものの、問題が発覚した3月17日からは約18%値下がりしている。フェイスブックとともに米主要ハイテク銘柄とみなされるアマゾン・ドット・コムとアップルは値下がりした。ハイテク株はここ数年、値上がりが続いており、ここにきて調整局面入りしたもようだ。S&P500情報技術指数は今月に入り、5%超低下している。ハイテク部門に限らず、米国株式相場は今月、軟調だ。米国と中国の貿易摩擦激化や金利上昇をめぐる懸念が影響している。主要株価指数は今月、2016年1月以来の大幅安となる見込みだ。国内の大手企業の業績や、株価の行方によってFRBの見通しが左右される可能性もある。(共同)