Tuesday, April 03, 2018 12:33 PM

防衛相報告に2カ月半 野党「組織的隠蔽」と追及

 政府が「存在しない」としていた陸上自衛隊のイラク派遣部隊の日報が一転見つかった問題で、陸自が初めて確認してから小野寺五典防衛相への報告まで2カ月半以上かかったことが3日、分かった。小野寺氏は閣議後記者会見で隠蔽の意図を否定し、一連の経緯を調査する意向を示したが、野党は同日の合同ヒアリングで、防衛省が予算審議などへの影響を避けるために組織的に公表を遅らせたなどと追及した。

 報告遅れが問題化した昨年の南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報問題に続き、文民統制(シビリアンコントロール)の在り方が問われる事態になった。イラクの日報には従来の公表資料にない内容が詳述されている可能性がある。イラク派遣は「非戦闘地域」とされた自衛隊活動地域の実態も問題になっており、日報の内容や陸自が不存在とした経緯の解明が今後の焦点だ。

 防衛省はイラク派遣に関わった海上自衛隊や航空自衛隊にも日報があるか調査を続け、今月中旬をめどに野党側に文書を開示する方針だ。(共同)