Tuesday, April 10, 2018 10:53 AM

シリア安保理、米露衝突 化学兵器疑い、機能不全

 シリア首都ダマスカス近郊の反体制派の主要拠点で化学兵器が使用された疑いについて、国連安全保障理事会は9日、緊急会合を開いた。米国はアサド政権の後ろ盾のロシアを強く非難。ロシアはアサド政権が化学兵器を使用した証拠はないと訴え、軍事攻撃を示唆する米国を批判して激しく衝突した。

 シリア内戦での化学兵器使用を巡っては、米英仏とロシアが対立して安保理は機能不全に陥っており、この日の会合も同じ展開となった。米国は化学兵器使用に関し新たな調査機関を設立する安保理決議案を各国に提示し、10日にも採決にかける可能性がある。

 米国のヘイリー国連大使は、化学兵器を使用するアサド政権をロシアがかばい続けていると糾弾し、化学兵器を使った者に「責任を取らせる」と警告した。常任理事国として拒否権を持つロシアの反対で安保理が動けなくても「米国は対応する」と述べ、単独での攻撃など強硬措置もあり得ると示唆した。(共同)