Thursday, April 12, 2018 11:08 AM

米中交渉は「不可能」 摩擦解消見いだせず

 中国商務省は12日、市場開放に前向きな姿勢をアピールしつつも、米国との貿易摩擦解消に向けた交渉が現状では「不可能」と強調した。習近平指導部は国際社会の支持を取り付けながら、トランプ政権に態度を軟化させるよう迫る。ただ摩擦の背景にはハイテク産業を巡る米中の主導権争いも見え隠れし、緊張緩和は見いだせない。

 中国商務省の高峰報道官は12日の記者会見で、米側の対応について「交渉に向けた誠意が全く見られない」と批判。トランプ氏が知的財産権を侵害する中国への追加制裁措置として追加関税の対象を1000億ドル(約10兆7000億円)積み増すよう指示したことについて「一方的な脅迫で、いかなる交渉も不可能だ」と反発し撤回を求めた。

 中国がいらだちを深めているのは、米国が産業用ロボットなどハイテク分野で中国を目の敵にしているためだ。ブルームバーグ通信によると、米側は今月、中国が掲げる製造業の長期発展戦略「中国製造2025」の関連事業への政府の支援を抑制するよう要求。中国側は拒絶し、交渉は暗礁に乗り上げた。(共同)