Friday, April 13, 2018 11:20 AM

「化学兵器はでっち上げ」 反体制派有力者が証言

 シリア反体制派の人権団体幹部は12日、共同通信に対し、首都ダマスカス近郊東グータ地区での化学兵器攻撃について「アサド政権に抵抗する反体制派への支持を結集するため、でっち上げられた」と主張し、政権側が使用したとの見方に強い疑念を表明した。幹部は反体制派の闘争を一貫して支援してきた人物。匿名を条件に電話取材に応じ、異例の身内批判を展開した。

 トランプ大統領やフランスのマクロン大統領は、アサド政権が化学兵器で反体制派を殺傷したとする一方、明確な証拠を明かしていない。日本政府は空爆実施の場合「米国の決意を支持する」と表明する方針。幹部の証言は、化学兵器禁止機関(OPCW)など国際機関による現地調査の必要性を改めて示した。

 反体制派の救助組織「シリア民間防衛隊(ホワイトヘルメッツ)」は、東グータのドゥーマで7日に化学兵器攻撃が実施され、49人が死亡したと発表した。ロシアとアサド政権は「反体制派のでっち上げ」と強調。幹部は「ロシアは信用できないが、この化学兵器攻撃では意見が一致する」と述べた。(共同)