Tuesday, April 17, 2018 11:26 AM

トランプ流に成果見通せず 北朝鮮交渉は米国頼み

 安倍晋三首相は日米首脳会談で、北朝鮮の非核化実現に向けて日米の立場を擦り合わせ、完全一致を対外発信したい考えだ。日朝首脳会談のめどが立たない中、拉致問題を含む対北朝鮮交渉は「米国頼み」なのが実情。トランプ大統領が11月の中間選挙を控え、貿易赤字の解消要求を突き付ける懸念もあり、成果は見通せない。論点を整理した。

 北朝鮮の核・ミサイル開発問題を巡り、首相は「対話のための対話は意味がない」と圧力最大化の堅持を主張してきた。北朝鮮は2005年の6カ国協議共同声明で核放棄を約束しながら、翌年には初の核実験を強行するなど、国際約束を破り続けてきたためだ。過去の失敗を繰り返さないため「完全かつ不可逆的で検証可能な非核化(CVID)」という高いハードルを掲げ、米国と共有したい考えだ。

 だが、米国にとって直接の脅威は、米本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発だ。6月上旬までの開催が見込まれる米朝首脳会談の焦点がICBMに当たり、核廃棄の議論が後回しとなる可能性は否めない。日本側は安易な妥協をしないよう、米側にくぎを刺す構えだが、トランプ氏が政治的な成果を急ぎ、北朝鮮の核保有を事実上認めてしまう懸念は消えない。(共同)