Monday, April 23, 2018 10:41 AM

北朝鮮「核保有国」維持か トランプ政権内に疑念

 北朝鮮が核実験中止や核実験場廃棄などの決定を表明したことを巡り、トランプ政権内部では北朝鮮が核放棄の約束を一切しておらず「核保有国」の地位を維持するつもりではないかと金正恩朝鮮労働党委員長の真意を疑う見方が強まっている。米主要メディアが21日、複数の政府当局者の話として伝えた。

 今回の決定を制裁緩和を引き出すことなどを狙った「わな」と指摘する米政府高官もおり、一連の動きは正恩氏が「理性的」で歩み寄る余地のある人物だと錯覚させる目的との見方も出ているという。6月上旬までに見込まれる米朝首脳会談の実現の可否や成果にも、影響を与える可能性がありそうだ。

 北朝鮮情勢は22、23日にカナダ・トロントで開かれる先進7カ国(G7)外相会合でも協議される。北朝鮮の発表を受けてトランプ大統領は「大きな前進」と歓迎したが、河野太郎外相は過去の交渉の失敗を踏まえ、非核化が実現するまで制裁緩和を認めない方針をアピールし、国際社会の結束を図りたい考え。米国はサリバン国務長官代行が出席する予定。(共同)