Tuesday, April 24, 2018 10:35 AM

福田財務次官処分せず辞任 退職金、異例の留保

 政府は24日の閣議で、セクハラ疑惑が報じられた福田淳一財務事務次官の辞任を正式に決めた。セクハラ調査を継続するとして、懲戒処分を見送った上で、退職金の支払いは留保する異例の対応とした。今後の調査で減給などの処分に相当する事実が認められた場合は、約5300万円とされる退職金を減額する。

 次官を辞任し財務省を退職した時点で福田氏は処分対象から外れるため、野党は辞任前の処分を財務省に要求していた。野党は処分なしでの辞任に反発、麻生太郎財務相の政治責任を問い辞任を求める声が拡大し、与党の一部にも責任論が浮上した。

 福田氏の辞任は24日付で、麻生氏は矢野康治官房長に事務次官の事務代理を発令した。財務事務次官が不祥事で途中辞任するのは、旧大蔵省の接待汚職事件で当時の小村武次官が更迭された1998年以来20年ぶり。学校法人「森友学園」への国有地売却・文書改ざん問題では佐川宣寿氏が国税庁長官を3月に辞任しており、財務省の事務方トップ2人が不在となる混乱に陥った。(共同)