Friday, April 27, 2018 10:53 AM

「完全な非核化」確認 南北首脳10年半ぶり会談

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領は27日、板門店の韓国側施設「平和の家」で会談し、「南北は完全な非核化を通して、核のない朝鮮半島を実現するという共通目標を確認した」とする「板門店宣言」に署名した。年内に朝鮮戦争の終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換するため米国や中国を交えた会談を推進することで合意。文大統領の今秋の平壌訪問や、共同連絡事務所の北朝鮮・開城への設置、敵対行為の中止でも一致し、一切の武力不行使も確認した。金委員長は全ての合意を「徹底履行する」と約束した。

 南北首脳会談は2007年10月以来、10年半ぶり3回目。北朝鮮の最高指導者が韓国の地を踏むのは初めてで、金正恩体制で初の南北首脳会談。金委員長は文大統領と軍事境界線上で握手し、午前9時半(日本時間同)ごろ、境界線を徒歩で越えた。文大統領も短時間、北朝鮮側に足を踏み入れた。

 金委員長が非核化の意思を示し、宣言に明文化されたことは一歩前進と言える。ただ、国際社会が注視する核放棄への具体的な展望は示されず、6月上旬までに見込まれる米朝首脳会談では、核廃棄の方策やスケジュールなどで合意できるかが焦点となる。(共同)