Tuesday, May 08, 2018 11:03 AM

財政赤字「GDP3%内」 政府検討、21年度目標

 政府が財政健全化の指標として財政収支を新たに採用し、2021年度の赤字額を名目国内総生産(GDP)比で3%以内に抑える目標を検討していることが8日分かった。これまで指標としてきた基礎的財政収支の黒字化目標は維持した上で、達成時期を従来の20年度から25年度に先送りする方向で調整。「財政赤字3%以内」はその中間目標と位置付ける。

 新たな財政目標は6月に決定する。中間目標の導入は財政規律を重視する立場を示す狙いがあるとみられるが、3%の赤字は歳出改革を怠っても達成可能な緩い水準だ。財政収支は金利が上がると改善が難しくなることもあり、民間エコノミストの間では、金利を低く抑える日銀の金融緩和に頼る政府の政策姿勢が一段と強まることを懸念する声が上がっている。

 基礎的財政収支は社会保障や公共事業といった政策経費を、税収などの基本的な収入でどれだけ賄えるかを表す指標。一方、財政収支は政策経費に借金の利払いを加えた経費をどれだけ賄えるかを示し、黒字化するのがより難しい。日本より財政規律に厳しいとされる欧州連合(EU)は加盟国に対し、財政赤字をGDP比で3%以下に抑える基準を課している。(共同)