Thursday, May 10, 2018 11:24 AM

柳瀬氏、加計側と3回面会 自ら判断、首相に報告せず

 学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、衆参両院の予算委員会は10日、柳瀬唯夫元首相秘書官を参考人招致した。柳瀬氏は2015年に3回、首相官邸で学園関係者と面会したと明らかにした。同年4月の面会内容をまとめた愛媛県文書の「首相案件」発言には「総理が『早急に検討していく』と述べている案件だと紹介したと思うが、伝えたかった趣旨とは違う」と否定。面会は自身の判断で、安倍晋三首相への報告や首相からの指示はなかったとした。

 柳瀬氏は「国家戦略特区の関係で会った民間の方は加計学園だけだ」と発言。民間が多忙な秘書官と複数回にわたり面会するのは容易ではないとの指摘があり、野党は学園側への厚遇が鮮明になったとして、学園の加計孝太郎理事長の証人喚問を重ねて要求した。一方、与党からは柳瀬氏の説明を評価する声が上がり、自民党の森山裕国対委員長は「一定の区切りがついた」と述べた。

 首相は学園の計画を知ったのは事業者が決定した昨年1月20日と主張。一方、柳瀬氏は学園関係者と15年2〜3月ごろと同4月、同6月上旬ごろの計3回会ったとし、計画は1回目の面会で認識したと説明した。(共同)