Wednesday, May 16, 2018 12:06 PM

iPS心臓治療年度内開始 厚労省、初の臨床研究承認

 厚生労働省の再生医療評価部会は16日、大阪大が計画する人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った「心筋シート」を重症心不全患者の心臓に移植する治療の臨床研究を大筋で承認した。本年度中に1例目の移植が行われる。

 iPS細胞を使った再生医療は既に重い目の病気の患者に対して行われているが、今回は日本人の死因第2位で、患者数も多い心臓病に対する世界初の治療となる。研究チームは心臓移植に代わる治療の実現を目指して心筋シートを開発。iPS細胞の可能性を実証する研究として注目される。細胞が腫瘍になるリスクも指摘され、安全確保が課題だ。

 チームの澤芳樹大阪大教授は東京都内で記者会見し「ようやくスタート地点に立った。多くの心不全患者が待っており、有効な治療法にしたい」と意気込みを語った。(共同)