Wednesday, May 16, 2018 12:10 PM

政府、最大圧力を継続 北朝鮮の意図分析

 政府は16日、北朝鮮が米韓両軍の共同訓練に反発し、6月の米朝首脳会談の中止を警告した動きについて「駆け引きの一環の可能性がある」とみて意図の分析を進めた。米韓訓練は「抑止力の柱」(西村康稔官房副長官)と続行を求め、最大圧力を継続する構えだ。ただ、米朝交渉が決裂すれば日本人拉致問題の進展に影響しかねず、情勢を慎重に見極める。

 菅義偉官房長官は記者会見で、北朝鮮の動向に関し「重大な関心を持って情報収集、分析に努めている。状況を注視したい」と述べるにとどめた。米朝首脳会談については「米国にわが国の立場を伝えながら準備を進める」と予定通りの実施に備える立場を示した。

 政府内では今回の動きを「米側の譲歩を引き出すための常とう手段」と見る向きが多い。外務省幹部は、非核化に向けて強硬姿勢を取るボルトン米大統領補佐官を北朝鮮側が名指しで批判したことに触れ「米朝交渉の綱引きが激化している」と見立てた。(共同)