Thursday, May 17, 2018 10:41 AM

強制不妊で3人一斉提訴 国に「違憲」と賠償請求

 旧優生保護法(1948〜96年)下で障害などを理由に不妊手術を強制されたとする北海道、宮城県、東京都の70代の男女3人が17日、国に計7950万円の損害賠償を求める訴訟を札幌、仙台、東京の各地裁に起こした。自己決定権などを定めた憲法に違反、96年の法改定後も救済措置を怠ったとしている。1月に提訴した宮城県の60代女性を含め旧法を巡る国家賠償請求訴訟の原告は4人に拡大。謝罪・補償に応じない国の姿勢を厳しく追及する。

 一方、27日に150〜200人規模の全国被害者弁護団が結成され、救済の早期実現を求める声明を検討していることが判明。「不良な子孫の出生防止」を掲げた旧法を巡っては、国会議員の間に、訴訟の結果にこだわらずに不妊手術に対する謝罪・補償の在り方を探る動きもあり、初の全国調査に乗り出した政府の対応が注目される。

 原告は札幌市の小島喜久夫さん(76)、宮城県の女性、東京都の男性(75)の3人で、請求額は3850万〜1100万円。「子を産むか否かの自己決定権を奪われ、基本的人権を踏みにじられた」と主張。96年に母体保護法に改定後も、救済に向けた政策を遂行せず違法などとしている。(共同)