Thursday, May 17, 2018 10:44 AM

うそで民主主義衰退 前米国務長官が政権批判

 「指導者が真実を隠し、国民が事実に基づかない『もう一つの事実』を受け入れれば、国民は自由を放棄する道をたどる」。3月に米国務長官を解任されたティラーソン氏が16日、バージニア州の大学の卒業式で演説し、米国の民主主義衰退に警鐘を鳴らした。

 ティラーソン氏は、トランプ大統領や政権幹部を名指しこそしなかったが「倫理観や誠実さを失った指導者に市民が立ち向かわなければ、米国の民主主義は衰退していく」と訴えた。米メディアは現政権の体質を痛烈に批判したと報じた。

 昨年1月にはトランプ大統領就任式の人出を巡り、コンウェー大統領顧問が、報道機関の伝える事実とは違う「もう一つの事実がある」と主張し物議を醸した。トランプ氏も事実を無視した言動が目立ち、ワシントン・ポストは就任から今年4月末にかけ、うそや事実関係で誤解を招く主張を約3000回繰り返したと分析。1日平均6.5回に当たるという。(共同)