Monday, May 21, 2018 10:34 AM

印パ核実験20年、懸念深く 弾頭倍増、続く開発競争

 1998年5月、インドとパキスタンが相次いで核実験をしてから今年で20年、両国の保有核弾頭はこの10年で倍増した。日本や欧米各国は成長著しいインドに原子力発電関連の売り込みをかける一方、パキスタンは中国から支援を受ける。核開発競争が続く両国で、民生用の核関連物資や技術が軍事転用される、との懸念は根強い。

 インドは98年5月11、13日、隣接する核保有国・中国を仮想敵国として核実験を計5回実施。パキスタンは同28、30日に計6回実験した。インドの保有核弾頭は、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の推計で、2017年に120〜130。08年の60〜70から倍増した。パキスタンも同時期に60から130〜140に増えた。

 両国は1947年8月、英領インドから分離独立。この時に分割されたカシミール地方の領有などを巡って過去に3度、戦火を交えた。国際社会は核戦争の火種となりかねないと不安視するが、両国は核兵器を「抑止力」と正当化している。(共同)