Tuesday, May 22, 2018 11:45 AM

不妊手術に質問「無視を」 厚生省、青森県に助言

 旧優生保護法(1948〜96年)下で障害者らに強制不妊手術が繰り返された問題で、青森県優生保護審査会の「手術適当」認定に対し、障害者差別撤廃を訴える日本精神神経学会が90年に出した質問状について、厚生省(当時)が「無視する方がよい」と青森県に助言していたことが22日、県が共同通信に開示した資料で分かった。

 県は助言に基づき回答しなかったとみられる。人権侵害との指摘や批判がありながら、不妊手術を国策として進める政府が、世論の反発を避けるため回答しないよう都道府県を指導していたことが裏付けられた。

 開示資料によると、審査会は89年2月27日、当時21歳だった女性を手術適当と認め、3月3日に保護者へ通知。同11月に「北海道と青森の障害女性に避妊手術」と新聞で報道されたことを受け、日本精神神経学会は90年3月13日、道と県に事実関係を確認する質問状を提出した。(共同)