Thursday, May 24, 2018 10:53 AM

環太平洋演習から中国排除 南シナ海軍事拠点化を批判

 米国防総省は23日、米海軍が主催する今年の環太平洋合同演習(リムパック)への中国海軍に対する参加要請を取り消したと明らかにした。中国が近隣国と領有権を争う南シナ海の軍事拠点化を加速させていることが理由で、国防総省は「地域を不安定化させている」と中国を批判した。

 米政府は、信頼醸成の手段として2014年の演習から中国海軍を招待してきた。米側が多国間演習からの中国排除という対抗措置に出たことで、緊張が高まる恐れもある。訪米中の中国の王毅外相は、米側の対応は「建設的ではない」と述べ、再考を促した。国防省の任国強報道官は24日の談話で「交流の扉を閉ざすことは中米両軍の相互信頼と協力促進の役に立たない」と批判した。

 リムパックは隔年開催で、今年は6月27日〜8月2日に実施され、日本を含む20カ国以上が参加予定。国防総省当局者によると、省内協議を経てマティス国防長官が招待取り消しを決定、今月23日に中国側に伝達した。南シナ海周辺に米艦を派遣する「航行の自由」作戦の拡大など軍事的なけん制も強める意向だ。(共同)