Thursday, May 31, 2018 11:17 AM

仏、高速炉計画縮小を検討 日本、協力継続見直しも

 日本がフランスとの共同研究を進める高速炉実証炉「ASTRID(アストリッド)」について、フランス政府が計画の大幅な縮小を検討していると日本側に伝えたことが31日、分かった。高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の廃炉を決めた日本は、アストリッド計画を当面の高速炉開発の柱としたい考えだが、計画が縮小された場合、日本の開発計画も抜本的に見直しを迫られることになる。

 関係者によると、フランス側は開発費の高騰を理由にアストリッド計画を見直し、出力規模を当初予定していた60万キロワットから10万〜20万キロワットに縮小する案を検討している。6月1日に開かれる日本の高速炉開発計画について話し合う経済産業省の作業部会に、フランス原子力庁(CEA)の担当者が出席し、こうした検討状況を説明する見通し。

 出力規模を大幅に下げた場合、将来的に商用化する際に必要な発電コストなどの実証データを得られなくなる可能性があり、引き続き計画に協力するかを検討する必要がある。(共同)