Thursday, May 31, 2018 11:17 AM

豊洲観光拠点、一転着工へ 五輪後に、業者が都に意向

 豊洲市場(東京都江東区)に整備予定の観光拠点「千客万来施設」の運営事業者「万葉倶楽部」(神奈川県小田原市)は31日、着工を2020年東京五輪・パラリンピック後に変更し、それまでは都が有効活用を図るなどとする提案を都に提出した。同社はこれまで事業実施の可否を判断できないとしてきたが、前向きに転じたことで膠着状態だった懸案が決着に向けて動きだした。

 万葉は31日、ホームページ上に文書を公表し「今ただちに工事をスタートさせても20年には間に合わず、五輪前後の時期に工事現場の風景が広がり『千載一遇の好機』にそぐわない環境となる」などと説明。移転後の築地市場(中央区)跡地の再開発の推移を確認することや、五輪前の建設ラッシュの時期をかわすことでコスト低減が期待できることも理由に挙げた。都は同日夜の幹部会議で提案を基本的に受け入れることを確認した。

 小池百合子知事は会議終了後に取材に応じ、20年大会までの敷地の活用方法に関し「都が中心となり、食の発信地のような役目を担わせたい」などと述べたが、具体的な内容や実施時期は今後詰めるとした。(共同)