Thursday, May 31, 2018 11:19 AM

日欧、米輸入制限に反発 「安保で正当化されず」

 日本と欧州連合(EU)は31日、パリで貿易担当相会合を開き、トランプ政権の鉄鋼などの輸入制限に関し「国家安全保障を根拠に正当化されるものではない」とする共同声明を発表した。自動車にも輸入制限が課されると、世界の貿易に影響を与え、市場を混乱させると指摘した。トランプ政権の保護主義的な通商政策に日欧で対抗する意思を明確に示した形だ。

 世耕弘成経済産業相とEU欧州委員会のマルムストローム欧州委員(通商担当)が合意した。日米欧会合で米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表に伝達。ライトハイザー氏からは日欧の懸念に留意するとの反応があったという。

 会合終了後に取材に応じた世耕氏は、輸入制限は「多角的貿易体制を崩壊させかねない」と懸念を表明。日米欧会合で、鉄鋼やアルミニウムの輸入制限の適用対象から外すよう米国に求めたという。(共同)