Friday, June 01, 2018 11:07 AM

羽生選手に国民栄誉賞決定 フィギュア男子で五輪V2

 安倍晋三首相は1日、平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で66年ぶりの五輪2連覇を達成した羽生結弦選手(23)=ANA=に国民栄誉賞を授与することを決めた。授与式は7月2日に官邸で行う。個人としては最年少の受賞で、スケート界からは初めて。仙台市出身の羽生選手は日本スケート連盟を通じ「大変名誉ある賞をいただき、身に余る光栄。この賞が被災地やスケート界にとって明るい光になることを願っている」とのコメントを発表した。

 羽生選手は4歳でスケートを始め、2011年には仙台市のリンクで練習中に東日本大震災が発生して避難生活を送った。苦難を乗り越え、14年ソチ五輪でフィギュア日本男子初の金メダル。昨年11月に右足首に大けがを負ったが復活し、2月の平昌五輪でフリーでは4度の4回転ジャンプを跳ぶ渾身の演技で再び金メダルに輝いた。授与を発表した菅義偉官房長官は「世界の歴史に残る快挙を成し遂げ、多くの国民に夢と感動を、社会に明るい希望と勇気を与えた」と理由を説明した。

 羽生選手は右足首の治療のため、3月の世界選手権を欠場したが、現役続行の意思を表明。4月22日に仙台市で行われた祝賀パレードでは市民や全国から集まったファンら10万8千人(主催者発表)が沿道を埋め尽くした。「3連覇に挑むか分からないが、スケートをやめる気はまだない。モチベーションは全て4回転半ジャンプだけ」と語っており、4回転半やその先の5回転といった前人未到の大技習得にも意欲を見せている。(共同)