Friday, June 01, 2018 11:08 AM

国連議場、森さんに総立ち 「平和のため技術使って」

 広島で米兵捕虜12人が被爆死した事実を明らかにした歴史研究家で被爆者の森重昭さん(81)=広島市=が5月31日、ニューヨークの国連本部で、自らの活動を描いた映画の上映会に出席した。上映後に「米国は持っている素晴らしい技術を人殺しではなく、平和のために使って」と訴えると、外交官らが総立ちで喝采した。

 映画は米兵の遺族と森さんとの交流などを通じて平和を訴えたドキュメンタリー「ペーパー・ランタン(灯籠流し)」。国連の軍縮担当上級代表の中満泉事務次長は冒頭で「森さん夫妻は無私無欲で調査を続けた。これは和解と友情の物語だ」と紹介。日本の別所浩郎国連大使も森さんの功績をたたえ「被爆国として日本は経験を国境や世代を超えて広めていく道義的な責任がある」と述べた。

 森さんが、亡くなった米兵の慰霊碑を自費で建立し毎年慰霊したことを遺族に感謝されたエピソードを紹介し「私のしたことは間違っていなかった」と語ると、各国の軍縮担当の外交官らから大きな拍手が起こった。(共同)