Tuesday, June 05, 2018 11:38 AM

ウラン濃縮能力拡大を準備 イラン、核合意崩壊に先手

 イラン原子力庁は、ウラン濃縮能力を速やかに拡大できる態勢づくりに向けた準備作業に着手したと明らかにした。国営テレビが5日報じた。最高指導者ハメネイ師の指示を受けた措置。米国の核合意離脱表明後の事態打開に向けた欧州などとの協議が今後頓挫し、合意が崩壊した場合に備えて先手を打った形だ。

 原子力庁は、イランによる核合意履行の監視に当たる国際原子力機関(IAEA)には書簡で通知した。準備作業自体は、2015年にイランが欧米の制裁解除と引き換えにウラン濃縮などの制限に同意した核合意に抵触しないとしている。

 サレヒ副大統領兼原子力庁長官は、中部ナタンズのウラン濃縮施設に高性能の遠心分離機の製造が可能な設備を準備する作業に入ったと説明した。原子力庁報道官は、濃縮ウランの原料となる六フッ化ウランの製造能力を向上させる準備も始めたと述べた。(共同)