Tuesday, June 05, 2018 11:40 AM

シャープが2000億円増資 東芝PC事業買収も発表

 シャープは5日、2000億円を上限とする公募増資を行うと発表した。7月にも実施する見通し。調達した資金は金融機関が保有する優先株の買い取りに充て、経営危機時の「負の遺産」処理にめどを付けて財務の正常化を図る。東芝からパソコン事業を買収することも発表し、台湾・鴻海精密工業の傘下で進めてきた再建から攻めの経営に転じる姿勢を鮮明にした。

 シャープは「メビウス」のブランドでパソコン事業を手掛けていたが、採算が悪化し2010年に撤退していた。その後も液晶パネル事業の不振で巨額赤字に陥ったが、16年8月に鴻海の傘下に入って以降はコスト削減などの構造改革を進め、18年3月期の純損益が4年ぶりに黒字化するなど復調傾向にある。

 公募増資は企業が新たに株式を発行して広く株主を募集し、市場から資金を調達する手法。発行済み株式数が増えるため1株当たりの価値が薄まり、短期的に株価が下がることもあるが、シャープは業績好調で投資家の需要も見込めるとして増資に踏み切った。(共同)