Friday, June 08, 2018 11:14 AM

CT診断見落とし2人死亡 千葉大病院、9人にミス

 千葉大病院(千葉市)は8日、患者9人のコンピューター断層撮影装置(CT)の画像診断でがんの所見を見落とすなどして、4人の治療に影響があり、このうち2人が死亡したと発表した。死亡したのは腎がんの60代女性と肺がんの70代男性。女性はがんの治療開始が4年以上遅れた。病院は「診療科の複数の医師が、自身の専門領域だけに着目して診断したため、他の部位のがんを見落とした」と原因を説明した。

 病院によると、9人は正式報告があった時点で30〜80代の男性5人と女性4人。60代女性は2013年6月に炎症性腸疾患のCT画像で腎がんの所見があったが、担当医が腸に着目して見逃し、17年10月に他の病気の再検査でがんが発覚。同12月に死亡した。山本修一病院長は「最初のCT検査後に治療していれば、死亡しなかった可能性がある」と述べた。

 70代男性も16年1月、皮膚悪性腫瘍のCT検査で肺にがんの所見が出たが、医師が肺についての所見を十分確認せずに治療開始が1年以上遅れ、17年6月に死亡した。(共同)