Tuesday, June 12, 2018 11:18 AM

弁護団、18日に特別抗告 袴田さん再審、最高裁へ

 1966年に静岡県で一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(82)の第2次再審請求で、再審開始を認めなかった11日の東京高裁決定を不服として、弁護団が期限の18日に、最高裁に特別抗告する方針を固めたことが12日、分かった。

 高裁決定は、再審開始を認めた2014年の静岡地裁決定を取り消し、再審請求を棄却した。弁護団関係者は18日に申し立てる理由を「高裁決定は想定外で、申立書の作成に時間がかかる」と説明している。

 事件は66年6月30日に静岡県清水市(現静岡市)で発生。みそ製造会社専務宅から出火し、4人の他殺体が見つかった。従業員だった袴田さんが逮捕され、無罪を訴えたが死刑判決が80年に確定。第2次再審請求は08年に姉秀子さん(85)が申し立てた。

 犯行時の着衣とされた「5点の衣類」が袴田さんのものかどうかが争点。地裁は、衣類の血痕は袴田さんのものではないとする弁護側DNA型鑑定の信用性を認め、再審開始を決めた。これに対し高裁は、この鑑定について「科学的原理や有用性に深刻な疑問がある」として、信用性を否定した。(共同)