Tuesday, June 12, 2018 11:19 AM

北朝鮮、完全非核化約束 米、正恩氏の体制保証

 トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は12日、シンガポール南部セントーサ島のカペラホテルで会談した。米朝首脳会談は史上初。両首脳は会談後「シンガポール共同声明」に署名。トランプ氏は「北朝鮮の安全を確約」し、事実上の体制保証をした。正恩氏は「朝鮮半島の完全非核化」を約束した。トランプ氏は記者会見で米韓合同軍事演習を中止する意向を表明した。適切な時期の訪朝に意欲を表し、正恩氏をホワイトハウスに招待する考えも示した。

 両首脳は関係改善の強い意志を表明した。トランプ氏は「過去とは異なる米朝関係に向かう」と述べ、正恩氏と「特別な絆を築いた」と強調。朝鮮半島に残る冷戦構造の終焉につながる可能性があり、北東アジアの国際秩序は重大な転換点を迎えた。ただ非核化の具体的な行程や検証方法は合意に至らず、実効性に課題を残した。

 トランプ氏は記者会見で、日本人拉致問題を会談で提起したことを明らかにしたが、声明に拉致問題は盛り込まれなかった。北朝鮮の非核化プロセスが迅速に始まるとも語ったが、米側が求めた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の文言は声明になかった。完全非核化は技術的に長い時間がかかると説明した。(共同)