Wednesday, June 13, 2018 11:30 AM

「拉致解決済み」言及せず 金正恩氏、米朝会談で

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が米朝首脳会談でトランプ大統領から日本人拉致問題を提起された際、従来の立場である「解決済み」とは言及しなかったことが分かった。安倍晋三首相と会談した自民党の萩生田光一幹事長代行が13日、首相から聞いた話として官邸で記者団に明らかにした。政府は、北朝鮮が直接対話を排除していないとみて分析を急ぐ。同時に、日朝交渉再開へ準備を本格化させる。

 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、拉致を巡り「トランプ氏の強力な支援を得ながら、北朝鮮と直接向き合い解決する決意だ」と述べた。西村康稔官房副長官は米朝会談の内容について「(北朝鮮が日本との交渉を)拒否することはないだろうと受け止めた」と東京都内で記者団に語った。

 首相は14日、拉致被害者家族と面会する。河野太郎外相は14日にポンペオ米国務長官と訪問先のソウルで会談する予定で、拉致を巡る金氏の発言を改めて確認。14、15両日に日朝両政府関係者らが参加する国際会議がモンゴルであり、その場で非公式協議を行う方向だ。拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決すれば、国交正常化と経済支援に乗り出すとの日本の方針を説明する。(共同)